行政書士試験は、法律系の国家資格の中でも人気の高い試験です。法律に基づいた書類作成や手続きの代理を行う業務が多岐にわたるため、資格を取得することで独立開業や企業でのキャリアアップの可能性が広がります。
しかし、特に社会人にとって、仕事を続けながら行政書士試験に合格するのは容易ではありません。限られた時間を効果的に活用しながら、学習と仕事を両立させることが重要です。
今回は、働きながら行政書士試験に合格した体験をもとに、学習計画や実際の勉強方法、モチベーション維持のコツなどを紹介していきます。
この体験記を参考にして、忙しい毎日の中で合格を勝ち取るためのヒントを掴んでいただければと思います。
行政書士試験に挑戦する理由と目標設定
僕が行政書士試験に挑戦したのは、法律への興味とキャリアアップのためでした。親戚が行政書士をやっていて興味をもったのが行政書士との最初の出会いでした。
現在の仕事に満足していたものの、法律に基づいた専門的なスキルを身につけることで、何か他にもできることがあるのでないかと思いました。
最初に重要なのは、なぜ行政書士試験に合格したいのか、その理由や目標を明確にすることです。
試験勉強は長期戦になるため、最初に明確な動機を持つことで、モチベーションを維持しやすくなります。
僕の場合は、身近に行政書士をやっている人がいたので、資格取得後はあの人のようにバリバリ仕事をとるんだというビジョンを思い描くことで、試験勉強の辛さを乗り越えることができました。
働きながらの学習計画の立て方
働きながら試験勉強をする場合、限られた時間をどのように使うかが鍵になります。
行政書士試験は、法令科目(憲法、民法、行政法、商法)と基礎知識(一般知識・政治・経済・社会、情報通信、文章理解)の幅広い知識が必要とされるため、計画的な学習が不可欠です。
目標を段階的に設定する
私が最初に取り組んだのは、試験日から逆算した段階的な目標設定です。
働きながらの勉強は、まとまった時間を確保するのが難しいため、毎日の学習時間を細分化することが重要です。私の場合、平日は1日1時間、休日は3時間を学習に充てることを目標にしました。
仕事が忙しい日も、できるだけ最低30分は勉強することで、習慣化を意識しました。
学習スケジュールを固定化する
勉強時間を毎日のスケジュールに固定化することで、無理なく続けられるようにしました。
例えば、朝起きてすぐに30分、昼休みの隙間時間に15分、帰宅後に1時間など、日々の生活リズムに学習を組み込むことで、学習を習慣化しました。
また、週に1回は「振り返りの時間」を設け、その週の学習の進捗を確認しました。
思ったように進まない場合は、無理のない範囲で次週の計画を調整しました。自己管理がカギになるため、定期的な自己チェックを欠かさないことが重要です。
隙間時間の活用
働きながらの勉強では、まとまった時間を取ることが難しいため、隙間時間をフル活用しました。通勤時間や昼休み、ちょっとした休憩時間に、スマホで法律の条文や問題集を確認するなど、小さな学習を積み重ねました。
行政書士試験は暗記が重要な部分もあるため、細かく復習することが効果的です。特に通勤中など、手軽に学習できるような教材を常に持ち歩きました。
効率的な学習方法の工夫
働きながらの試験勉強では、限られた時間の中で効率よく学習を進めることが求められます。無駄のない学習方法を選択し、効果的に知識を吸収することが合格への近道です。私が実践した主な学習方法を紹介します。
基礎知識の習得は教材の厳選がカギ
行政書士試験は範囲が広いため、すべての教材に手を出すと膨大な時間が必要になります。私は、最初に信頼できる教材を厳選しました。具体的には、行政書士試験対策のために定評のある参考書や過去問集を選び、これらを中心に学習しました。
特に、法令科目では理解を深めることが重要です。単に条文を暗記するだけでなく、問題の解説を読み込み、なぜその答えになるのかを理解することを意識しました。行政法や民法は頻出問題が決まっているため、過去問を解きながら自分の弱点を把握し、重点的に復習しました。
過去問演習の徹底
試験対策で最も効果的な方法の一つが過去問演習です。私は、試験問題の出題傾向を掴むために、まず過去5年分の過去問を繰り返し解きました。過去問を解くことで、試験の形式に慣れ、頻出分野や問われやすい論点が見えてきます。
過去問を解く際には、問題を解くだけでなく、解説をしっかりと読み込むことが重要です。なぜその選択肢が正解で、他の選択肢が間違っているのかを理解することで、応用力が身につきます。
また、試験直前の2ヶ月間は、毎週1回模試を受けることで、本番さながらの時間配分を確認しました。模試は試験のシミュレーションとして非常に有効で、実力を測るだけでなく、試験当日に向けて集中力を高めるための練習にもなります。
記述式問題の対策
行政書士試験には、選択式問題だけでなく記述式問題も出題されます。記述式では、法律に関する知識を正確に説明する力が求められます。私は記述式問題の対策として、問題集や過去問を使いながら、自分で簡潔に解答をまとめる練習を繰り返しました。
記述式では、正確な法律知識に加えて、文章の論理的な構成も重要です。特に、書き方のルールや採点基準に慣れるために、問題集の解答例を参考にしながら、模擬的な答案を作成してみることが効果的です。
モチベーション維持のコツ
働きながらの勉強は、時間的にも体力的にも負担が大きいため、モチベーションの維持が最大の課題です。日々の勉強に集中するために、いくつかの方法を取り入れてモチベーションを保ちました。
小さな目標を設定する
試験全体を一つの大きな目標にするだけでは、モチベーションが維持しにくいため、小さな目標を設定しました。例えば、「今週中に民法の契約法を終える」「来週は行政法の過去問を10問解く」など、短期的な目標を設定することで達成感を得やすくしました。
目標を達成するたびに、自分へのご褒美を用意することも効果的です。自分を少し甘やかすことで、リフレッシュでき、また次の勉強に向けてやる気が湧いてきます。
定期的なリフレッシュを忘れない
働きながら勉強していると、疲労やストレスが溜まりやすくなります。そのため、適度に休憩を取ることが重要です。私は週に1日は「勉強しない日」を設け、その日は趣味や家族との時間を楽しむことで、リフレッシュしました。
勉強に集中することも大切ですが、無理をして勉強が嫌いになってしまうことは避けたいところです。適度な休息を取ることで、集中力が持続し、学習効率も向上します。
周囲のサポートを活用する
働きながらの試験勉強は一人で抱え込むと孤独になりがちですが、家族や友人、同僚のサポートを得ることで、気持ちが軽くなります。私は家族に試験勉強のことを話し、理解を得ることで、ストレスを軽減しました。
また、SNSやオンラインの行政書士試験コミュニティに参加し、同じ目標を持つ仲間と情報を共有することで、モチベーションを維持できました。周囲のサポートを得ることは、試験勉強を続ける上で大きな助けになります。
試験直前の対策と本番での注意点
試験直前の2ヶ月間は、これまでの学習内容を総復習する時期です。この時期には、知識の再確認とともに、試験本番に向けての最終調整が必要です。
弱点を徹底的に克服する
試験直前は、自分の弱点に集中して対策しました。過去問や模試の結果を振り返り、得点が伸びなかった分野を集中的に復習しました。特に、民法や行政法の細かい条文や、一般知識の政治・経済分野など、得点源になりにくい部分は時間をかけて克服しました。
本番シミュレーションを繰り返す
試験当日に備えて、時間配分のシミュレーションを行いました。模試を通じて、本番さながらの環境で試験を解き、時間内に全ての問題に取り組めるよう練習しました。特に、記述式問題は時間がかかるため、早めに取り掛かる習慣を身につけることが重要です。
試験当日の心構え
試験当日は、落ち着いて試験に臨むことが何よりも大切です。私は、試験前日に無理な詰め込み勉強をせず、早めに休むよう心がけました。また、当日は十分な睡眠と栄養を摂り、万全の体調で試験に挑みました。
試験中は焦らず、まず解ける問題から取り組むことで、気持ちを落ち着けました。試験は長丁場ですが、リラックスして取り組むことで、集中力を保つことができます。
まとめ
働きながら行政書士試験に合格することは決して簡単ではありませんが、計画的な学習と適切な時間管理、そしてモチベーションの維持ができれば、十分に合格は可能です。今回紹介した学習計画や学習方法を参考に、自分に合った学習スタイルを見つけ、コツコツと積み上げていきましょう。
働きながらの挑戦は困難も伴いますが、その分、合格したときの達成感はひとしおです。自分を信じて、着実に合格への道を進んでください。
ネコ丸
マサル