行政書士試験の合格基準と配点は?

行政書士になるには、行政書士試験に合格しなければなりません。
行政書士試験に合格するためには行政書士試験の合格基準を確認する必要があるでしょう。

行政書士試験の合格基準

行政書士を合格するためには、法令科目で122点以上、一般知識で24点以上をとり、試験全体で180点以上とる必要があります。

  1. 法令科目の得点が、122点以上であること
  2. 一般知識科目の得点が、24点以上であること
  3. 行政書士試験全体の得点が、300点満点中180点以上であること

行政書士試験に合格するためには、この3つの条件をクリアする必要があります。
ただし、この条件の中で“法令科目の得点が、122点以上であること”という条件はあまり気にする必要はありません。

なぜなら、300点満点中180点以上の得点をとっているという事は、法令科目で122点以上とれているという事になるからです。
一般知識をすべて正解すると56点をとることができます。
仮に一般知識をすべて正解し、合格ラインの180点ギリギリで合格したとすると法令科目は124点とっていることになります。

科目別の配点や出題形式による配点についてはこれから詳しく説明していきます。

行政書士試験の出題形式と配点

行政書士試験の出題形式と配点を見てみましょう。2017年では下の表のように出題されました。
今後もこのように出題されることは予想されます。

出題形式 出題科目 問題数 配点
法令 5肢択一式 基礎法学 2問 8点
憲法 5問 20点
行政法 19問 76点
民法 9問 36点
商法・会社法 5問 20点
多肢選択式 憲法 4問 8点
行政法 8問 16点
記述式 行政法 1問 20点
民法 2問 40点
一般知識 5肢択一式 政治・経済・社会 7問 28点
情報通信・個人情報保護 4問 16点
文章理解 3問 12点
合計 60問 300点

もっと大雑把にみると、以下の表になります。

出題形式 配点
5肢択一式 216点
多肢選択式 24点
記述式 60点
合計 300点

このように行政書士試験では、5肢択一式と記述式が多く配点されていることがわかります。

合格基準の中で出てきた法令科目というのは、一般知識以外の科目のことを言っています。
具体的には基礎法学、憲法、行政法、民法、商法・会社法のことです。

行政書士試験を合格しようとするとこれらの科目を勉強する必要があります。
では、それぞれの科目はどれぐらいの配点になっているのでしょうか?

行政書士試験の出題科目と配点

出題科目別にみると、以下のような配点になっています。

出題科目 配点
基礎法学 8点
憲法 28点
行政法 112点
民法 76点
商法・会社法 20点
一般知識 56点
合計 300点

この配点表をみてわかるとおり、行政書士試験では行政法と民法の配点が高いので、試験を合格するには、行政法と民法の勉強が必須になっていきます。

行政書士試験出題別配点

円グラフでみると、行政法と民法が行政書士試験の中でどれほどのウェイトを占めているかわかります。
これほど、行政法と民法が重要なのです。

そもそも、行政法とは何?

行政法とは、法律は存在しません。

それだったら行政書士試験における行政法ってなんなの?という話になりますが、行政書士試験における行政法とは、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、地方自治法等の行政にかかわる法律の総称として呼ばれています。

行政法の中でも、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法は頻出している箇所ですし、条文の数も多くありませんので、行政法で得点を稼ぐなら、これらの法律から学んだほうがいいと思います。

行政書士試験の合格基準が変わる可能性がある!?

最初に行政書士試験の合格基準について説明しましたが、行政書士試験研究センターでは、ここで説明した合格基準とはちょっと違う表現をしています。

  1. 法令科目の得点が、122点以上であること
  2. 一般知識科目の得点が、24点以上であること
  3. 行政書士試験全体の得点が、300点満点中180点以上であること

行政書士試験研究センターが公表している合格基準

  1. 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50パーセント以上である者
  2. 行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、満点の40パーセント以上である者
  3. 試験全体の得点が、満点の60パーセント以上である者

行政書士試験研究センターでは、このように合格基準を定めています。
この合格基準から考えて具体的な数値にすると、最初に説明したような合格基準になります。

・行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50パーセント以上である者
->今のところ、法令等科目の満点は244点なので、その50%の122点以上が合格基準

・行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、満点の40パーセント以上である者
->今のところ、一般知識等科目の満点は56点なので、その40%の24点以上が合格基準

・試験全体の得点が、満点の60パーセント以上である者
->今のところ、試験全体の満点は300点なので、その60%の180点以上が合格基準

このように行政書士試験研究センターでは、合格基準を122点以上だとか、24点以上だとか、具体的に決めてはいないんですよね。

なので、今後もしかしたら、試験全体が600点満点になり、試験の合格が360点以上になったりするかもしれませんね笑(たぶん、ないと思います。あったとしても、事前に発表があると思います。)

記述式の配点の高さと採点基準

出題形式の中では、記述式の配点が60点で、記述式の問題も行政法と民法から出題されています。

300点中の60点なので、全体の2割が記述式で構成されているので、なかなかのウェイトを占めています。

そして、この記述式の採点基準が明確に決まっていないので、毎年受験生を苦しめています。
5肢択一式、多肢選択式の問題が難しいようであれば、記述式の採点はゆるく採点されるのでは?とか、5肢択一式、多肢選択式の問題が簡単なようであれば、記述式の採点は厳しく採点されるのでは?とか試験が終わってから、合格発表までの間に色々な憶測がでてきます。

最近の傾向では、キーワードが合っていれば得点がもらえるようになっているので、問題の主旨にあったキーワードが書けるように練習するようにしましょう。

平成29年の行政書士試験が最近の中では合格率が高かったですが、この試験でも記述式の採点はキーワード採点になっているようでした。

このように最近の傾向ではキーワードで採点されることが多いので記述式はなるべく書くようにしましょう。
ちゃんと勉強した人は記述式の問題を解くときに「これかな?」と思うようなキーワードを思いつくはずです。

記述式の問題を空白で提出するのは、もったいないです。
「これかな?」と思うようなキーワードでも書くようにしましょう。もしかしたら、キーワード採点で何点かもらえるかもしれません。